ゴジラのメッセージはだるまちゃんにも伝わる
先日、かこさとしさんの本を読みました。
きっと皆、一度は見たことがあるであろう、かこさとしさん。
絵本や児童書をたくさん書かれています。
かこさとしさんの絵本で有名なのは「だるまちゃんとてんぐちゃん」ですかね。
幼いだるまちゃんが、仲良しの大好きなてんぐちゃんの真似をする話です。
うちの子供も大好きです。
今回読んだ「未来のだるまちゃんへ」には、とても素敵な要素がたくさん詰まっていました。
子供の頃に出会った池の主の話、まるで絵本に出てくる「だるまどん」のような父とのエピソード、敗戦で大人たちの言うことが手のひらを返したように変わり不信感を持った話、飛行機乗りになりそびれたために戦場に行かず生き延びた話、セツルメントの活動での子供たちとの関わりなどなど、どれを取っても著者の絵本の根底にある、暖かな魂を感じます。
かこさとしさんの、
大事なことは、すべて子どもたちに教わった
という姿勢が、なんともいいなあと思います。
絵本に興味がなくても、子供に関わる方には是非見て欲しいと思う一冊です。
未来のだるまちゃんへを読むと、やっぱり子どもは大人が思っている以上に世の中をよく見ているし、理解できるのだなと、改めて思います。
さて、ここで唐突に私の親バカ話をさせていただきます。
あるとき、二人でゴジラの話をしていたときのこと。
ゴジラ第1作目のあらすじを聞かれたので、掻い摘んで話しました。
古い映画ですがネタバレは良くないでしょうからやめておきましょう。
調べればWikipediaでも出てくるので、知りたい方はご覧ください。
同作は、1954年の作品。戦後9年、戦争のことも原爆のことも、人々の記憶に新しかった頃のものです。
私は祖父から聞いた話や、広島で聞いた被爆者の話、その後色々と自分で調べたことで、ある程度第二次世界大戦を追体験しているつもりなのですが、平成末期生まれの我が子にはそこまでの基礎知識はありません。
しかし、あらすじを聞いた我が子の感想は、
「武器なんて、ない方が良いね。皆が持たなければ良いのにね」
というものでした。
戦争を知らない5歳の子供に、ゴジラのメッセージは伝わるんだ…。
「うちの子スゴイ」って思ったのは勿論なんですが、言いたいことはそれではないのです。
たぶん、うちの子に限らず、ある程度知るきっかけがあれば、子供だってそこまで考えが及ぶのです。
なにせ我が子は、まだまだ論理的に考えるのは苦手だし、長い文章は理解できません。
それでも伝わったのです。
子供の近くにいる私たちは、それくらいの観察眼を持った子供に一挙一投足を見られているわけで…。
子供が大人になった時に、 「うちの母は手抜き料理ばかり作っていた」とか「自分の好きな遊びはノリノリだけど基本的に面倒臭がりだった」などと回想されるのはいいけれど、 「うちの母は自分の利益ばかり追求して弱い者に冷たかった」とか思われてはたまらないもので…。
完璧にとは行かないでしょうが、自分ができる、なるべく良い生き方をしたいものです。