映画プリキュアスーパースターズに現実の方が寄せて来てた
5才女児持ちのご多分にもれず、映画プリキュアスーパースターズを観てきました。
前売り特典GETするため映画館2館はしごすることになったりと、色々ありましたが、無事に行くことができて一安心です。
日付の概念がわかって来た5歳児は、
映画CMを見るたびに「3月17日ってあと何日?」とプレッシャーかけてくるし、
万が一来場特典のキーホルダーが品切れにでもなればガックリされるのは間違いないので、 ちゃんと公開初日に映画館に赴きます。
今回も、「子どもに見せてよかった子ども向けアニメ映画」に仕上がっていたと思います。安心のプリキュア。
さて、以下、ネタバレがありますので、ご注意ください。
敵の名は…
まず、今回の敵は「ウソバーッカ」。
もう一度言います。敵の名は「ウソバーッカ」です。
つまり、「嘘ばっか」。
世相……。
…いや、プリキュア映画の準備は相当前からやってるはずなので、絶対に例の文書改竄が明るみに出て政府のいろんな嘘がバレ始めた2018年3月2日よりかなり前に出来上がってるはずなのです。
狙ってやったわけじゃないはずなのに、タイミングが、なんとまあ。
嘘をついてプリキュア達を油断させようとするウソバーッカに、劇場の子どもたちが「ウソだよ!」「だまされちゃだめ!」と口々に叫んでライトを振り回す光景に、なんとも言えない気分になりました。
大人達、しっかりしよう。
ウソつかないで。
騙されないで。
現実がフィクションを上回って狂っているという現実。
まさかプリキュアに我が国の政治の混乱を重ねてみる日が来るとは思いませんでした。
ええと、ミラクルライト持参してキャンドルデモすれば良いのかな(混乱)。
アクションシーンのバランス
気を取り直して、アクションシーンの感想です。
前作『キラキラプリキュアアラモード』では肉弾戦封印だった一方、今作はまた肉弾戦メインになっています。
映画では、現行作品と過去2作品の3作品のキャラクターが一緒に戦うため、ホイップクリームなどの特殊技で戦うキャラクターと、「慣性の法則」を利用した投げ技や連続パンチやキックを繰り出すキャラクターが入り乱れます。
これが結構、バランスが良い感じに思いました。
RPGなんかでも魔法使うキャラと格闘タイプのキャラが一緒にパーティー組むのが定番ですからね。
プリアラは、他のプリキュアと組み合わせるのにすごく良い感じなんじゃないかなと思いました。
みらリコ萌え
私と我が子にとっての初プリキュアということもあり、個人的にちょっと思い入れがある『魔法使いプリキュア』。
映画に出て来るのは今回が最後になるのかなと思うと寂しいです。
しかし、今回も良いシーンがありました。
みらいとリコが、目で会話するシーンがあるのです。
目で(頼んだわよ)というリコに、力強く目で(まかせて)と返事するみらい。
(括弧内のセリフは完全に想像です)
あ〜!!これはズッキュンとくる!
性格真逆で何度も衝突しながら仲良くなったこの作品の二人の信頼関係は、やっぱり格別なのかなと思わされました。
本当の問題は、約束違反か、視野狭窄か。
ちょっとストーリーの核心に触れると、この映画のトラブルの元は、主人公野乃はなが「幼いころ不思議な男の子・クローバーとの約束を果たせなかったこと」が原因となっています(公式サイトでも書いてあるから、ネタバレ許容範囲ですよね)。
「【約束】をやぶったら【ウソツキ】になっちゃうよ」
という意味深な言葉も出ていますね。
しかし、これ、単純に約束違反がダメだというメッセージなのでしょうか。
劇中で事情は明らかになりますが、私には、はなが悪いとも謝るべきとも思えませんでした。
どちらかといえば、真の問題は、本作のキーパーソンの視野狭窄そのものではないかなと思うのです。
・何かひとつのことで、裏切られたと思い込み、世界を全て敵視してしまう。
・アイツは敵だと吹き込まれて信じてしまう。
・周りから手を差し伸べられていることに気がつかない。
その辺りの視野狭窄そのものが、悲劇を生んだのではないかなと思うのです。
何せ、彼、本気で出ようと思えば出られたはずだし。
そうしてみると、視野狭窄からの救いとしてプリキュア映画の提示する解は、対話とか、理解と受容なんでしょうね。
なかなか深いです。
だいたい、現行プリキュアのバトルは、敵にハートを送って癒して辞めさせるっていうバトルストーリーではあり得ないすごい終わらせ方ですしね。
これ、メッセージ練ってる中の人、只者じゃない感じするなあ。
しかし、約束違反になったことを謝るのは良いとして、最終的に「約束」にまとめるラストをみると、ちょっと取ってつけた感がなくもない気がしました。私が読み切れてないだけかもしれませんが。
プリキュア達が約束する内容は、プリキュアらしいポジティブなメッセージで、それ自体は決して嫌な感じはしないのですけれどね。
なんだかんだで、私は、諦めないプリキュアって好きです。
やっぱり子どもが大喜びするプリキュア映画。
と、私の書く感想ではまるで社会的テーマ含んだ重たい作品に見えますが(半分は現実の側がとんでもないタイミングで映画に寄せて来ちゃったあたりに問題あると思う)、別に説教臭い道徳映画などではありません。
・ハグたんを助けるプリアラメンバーのコミカルな連携プレーとか、
・あきらさんの壁ドン(?)とか、
・プリキュアたちが解放される方法がまさかのアレとか、
笑いが起こるシーンがたくさんあります。
(昨年秋の映画よりは控えめですが…去年の「トレビアーン」はぶっ飛んでたなあ。)
何より、映画館に響き渡る、子ども達の「プリキュア がんばれー!」の大歓声。
ちょっと難しい話かなとも思いましたが、子どもが本気で熱中して、楽しんで観ているのをみると、大人の感想などまあどうでも良くなりますね。
今回のミラクルライトの緑色の優しい光もとても良かったです。
なんと言っても眩しくなかったし。
いつかのミラクルライトは平面が多かったため、直視するとヤバかったです。改善されてよかった。
そんなわけで、映画終了後に間髪を入れず秋の映画予告を入れてくるあたりが超抜け目ないプリキュア映画。
ぜひご覧ください。
(わかってますよ、次も見に行きますよ。)