頑張りたくない私の「不断の努力」とは
今週のお題「雨の日の過ごし方」→カッパ着てデモかな。
本当は寝ていたい
当ブログが、自分を大切にすることを価値として「極楽」な生活を送ることを目標の一つとしていることは、読者の皆様には何となく伝わっているかもしれません。
別に伝わっていない?
う〜ん、やはり自由ネコ師匠には遠く及ばないなあ。
それはともかく、何でもかんでも「頑張れ」「努力だ」「根性だ」みたいなのは、ともすれば人を擦り減らしてしまう危険を有しているというのは、賢明な皆様にはお分かりいただけると思います。
私はですね、最近になってようやくそれに気が付いたクチです。
気付きたてホヤホヤ。
いやー、頑張らないと生きられないと思ってたし。
ある意味過去の頑張り遺産で何とか糊口を凌いでるところもあるし。
でも適度に休み、自分を大切にした方が、結果的に良いと気が付きました。
そんな、本当は寝ていたい私ですが、最近ちょっとばかりうるさくしております。
主にTwitterでなんだけど、時々路上でも。
何をうるさくしているかって?
自由と権利のための主張や抗議活動をです。
憲法は自由を愛する皆の味方
ちょっと突然憲法について語り始めたいと思います。
あ、引きますかね? リアルで突然言われたらまあまあ引くやつですね、分かってます。分かるけど聞いて、あ、[×]押さないで〜。
憲法は、国家が国民の人権を侵害しないよう、守るべき自由と権利について定めているのです。
この第11条から第40条まで見てもらえれば、たくさんのことが決められているのが分かります。
中でも第13条は、
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
個人として尊重されるという、最もコアで、なおかつ大きなことを言っています。
プライバシー権などは、条文に明記されているものではありませんが、この第13条を根拠に、憲法上認められる権利だとされています。
個人的にはこの第13条の「幸福追求に対する国民の権利」って表現が好きです。
幸福を追求する権利ですよ?
幸せ、追い求めたくないですか?
(脱線)
で、それらの自由と権利は国民が生まれながらにして持つものであるはずなのですが、憲法第12条に気になることが書いてあります。
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
これですよ、「不断の努力」。
え、なんかやらなきゃダメなの?
やりたいことを仕事にする自由も、好きな街に住む自由も、結婚を他人から強制されない自由も、奴隷労働させられない自由も、投票権も、財産権も、どうかすると権力によって制限されかねないものなのです。
ご存知とは思いますが、これらの自由と権利は、歴史的には当然のものではなかったのですよ。
だからこそ、こうして憲法に定めて、これに反する法律は憲法に反して無効になるものとされています。
が、憲法は、具体的にどのレベルなら違憲だとか、書いてないですよね。
法律を定める国会議員や、法律を適用する裁判官がおかしな人だったら、割と国民がギリギリと絞られる可能性、大なんですよ。
なので、そこには適切なルールを維持するために、憲法第12条にあるように、国民には、権力の横暴から自らの権利を守るための「不断の努力」が求められているのです。
え〜、嘘〜! そんな義務あるの? 何しなきゃいけないことになってるの?
いえいえ、義務というか、努力義務…目標みたいなものです。多分。
でも、この実はこの努力をきちんと果たさないと、我々の権利は案外あっさりと侵害されます。
我々は今実際に、そのような場面に直面していると言えます。
黙ってたら奴隷制になるの?
例えばですが、「高プロ」って知ってます?
上記リンクは、『アベノミクスによろしく』の著者、弁護士の明石順平さんのブログですね。
ここで解説されている「働き方改革」の「高度プロフェッショナル制度」、これが今国会で強行採決されそうになっています。
一定の年収を超える見込みの人に適用可能な制度で、高プロになると労働法規制が適用されなくなります。
労働法規制と言えば、労働時間の制限や残業代の割増などを定めるものです。
これが適用されないとなると、法律上は24時間働かせてもOK。
月4日の休日はあるようですが、極論すれば月初めに4連休設定して、その後ず〜っと働かせることも可能になってしまうわけです。
高収入なんだからいいじゃないかって? 甘いですね。
今の所、年収1075万以上となる見込みというのが要件なんですが、あくまで見込みなんでね。
「月収20万、1年後に835万払いますので年収1075万見込みです。なので高プロにします」って契約して、10ヶ月後に「あんまり成果が出てないからクビね」となれば、雇用主はたった200万で24時間260日働かせることも可能なわけです。
(月4日の休日は必要らしいので、30日×10ヶ月-4日×10ヶ月と計算して260日。実際には31日の月が多いのでもうちょっと長くなりますね)
おまけにこの年収額の条件も、法律上に定めるのではなく、改正の容易な規則などで定めるそうなので、一旦成立したら何だかんだの理由をつけてどんどん下がってくるのは間違いありません。
これが現代の奴隷制でなくて何なのかと思います。
もちろん、一部を除く野党議員は猛反対。
労働問題に詳しい学者の協力もあり、厚労省が法案の審議のために出してきたデータに重大な誤りがあることを暴きました。
データが誤っているのにそれをもとに審議も何もないじゃないですか。
ところが、与党は強行採決を図ります。
5月25日の国会、見ました? この国会、過労死遺族が傍聴してるんですよ。そんな中での強行採決ですよ。信じられます?
前でぴょんぴょん跳ねてるのは自民党山梨2区の堀内のり子議員です。
搾取して儲けるのがそんなに嬉しいのかね。
へ〜、大久保利通の子孫ですか。お父上はフコク生命社長で、ご主人は富士急行社長ですか。
当方は貧乏で殺伐とした家庭に生まれ育ちましたので、この手の苦労知らず平気で人を踏みつける輩には反吐が出ますな。 まじムカつく。
…しかしまあ、お金持ち僻むよりも、なんかすることの方が大事です。
いきなり努力と言われても・・・
「一体どうすればいいの?」という方も少なくないことでしょう。
まずは国民の6割くらいはいそうな、選挙行けるのに行かない奴らに「選挙行けや」と言いたいところですが、多分だけど、これ読んでくれてる人はそんなことないでしょう。
自分は選挙には行く、自民党には投票してない、でも現状が変わらなさすぎて泣ける、という方に向けて私の考えるオススメを色々お話ししようと思います。
小さなことから
オススメは、まず、小さなことから。
どんなアクションがやり易いかは人によるだろうと思います。
が、何にせよ、自分の意思を外に向かって表示したり、他人の価値観に影響を与えたり、戦う人を勇気付ける行為が必要になるだろうと思います。
ネット弁慶な方ならTwitterなどのSNSで、「意見を表明してみる」「良い意見に“いいね”やRetweetしてみる」というのは、それほど難しくないことでしょう。
色々うるさく言い始めると、時々ネトウヨに絡まれますけど、ミュートとかブロックとか利用して、精神状態を保ちましょう。
社交的な方なら、リアルな人間関係の中で「高プロって、残業代出なくなるらしいですよ」「24時間働かせられるんですって。リ●イン売れちゃうわね」「国会でまたデータの改ざん見つかったんですって」「もう内閣全員辞めればいいのにね〜」とか言ってるだけでも効果あるでしょう。
テレビや新聞見て何かおかしいと思ったら、「ご意見」送ってみるのも良いですね。
それから、デモに行ったり、自ら抗議行動を起こす方に、「私も同じ気持ちだよ!」とエールを送ることも。
そんな小さなことに、効果あるのか疑問持たれる方もいらっしゃるでしょうが、是非過去に言及したこちらの記事をご覧いただければ幸いです。って、元ネタがリンク切れになってしまいましたが。
休み休み
少しずつ行動し始めると、周りで活発に行動している方が見えてくるかもしれません。
Twitterとかでフォローし合うと、あっちのデモに、こっちの街宣に、ビラ配りにと、目まぐるしく動く仲間の姿が見えてきて、「すごい!やるなあ〜」と思います。
が、あれこれ手出しすると、ちょっと疲れてしまいますね。
憲法にもあるように、我々には「不断の努力」が求められているのです。
不断、断たれない、英語だとconstantとか言いますね。
長く続けるべき努力だとしたら、休み休み、できるときに、できることをやるのが良いのではないでしょうか。
発信するのが難しいときは、受信も大切。
どんな世の中が平和と言えるか、どうすれば困ってる人が助けられるか、
そんなことを勉強する時期もあって良いと思います。
個人的には、この講座受けに行きたいです。
なるべく、自分の得意な分野を見つけて、民主主義に加わってみましょう。
みんなでリレー方式
ここからは少し心理的ハードルの高いと思われる活動について紹介します。
ちょっと大変かもですが、確実に相当数の誰かの心に届くであろうものです。
2015年の安保法制強行採決の際の抗議デモ、覚えていますか?
もし見たことない方がいるなら、「安保法制 国会前デモ」とかで画像検索してみてください。
とんでもない数の人が集まっています。
私は幼児抱えてていけなかったのですが、何かでこのデモの写真見て胸が熱くなったのを覚えています。
「デモなんかやっても〜」と冷笑する同僚に「こういうのは騒がなきゃダメなんだ」と即答できたのは、この熱気を受け取ったからだと思います。
この時デモ活動の立役者となったSEALDsはもう解散してしまいましたが、この頃の市民活動を目の当たりにした多くの人が、それぞれに活動を引き継いでいるように思います。
あのとき国会前に行けなかった私も、今や隙あらばデモに行くようになりました。
あ、最近のデモ、面白いですよ。ちょっとフェス感ありますし。
危なくないので気軽に参加したら良いと思います。
また、福島第一原発以降の反原発運動や、安保法制反対、9条改憲反対でじわじわと仲間が増えてきた肉球新党という市民団体も、次第に党員が増えて、今では「どこのデモにも大体いる」と言われるまでになりました。新参者ですが、私も党員ですにゃー。
大勢でデモに行ったりするのは苦手という方には、「ぼっちング」というのもオススメです↓
マイペースに出来るのが良いですね。 私も普段は省力地味系ぼっちングです。
ですがこれも意外と、カバンに小さなプラカをつけているだけで、「ほんと、そうですよね〜」「私もそう思った」なんて会話に繋がることもあります(経験有)。
「駅でスタンディングしてる人に勇気を貰って、自分も活動してみようと思った」なんて人の話も聞きます。
人から人へ、リレーがつながります。
そうすれば、交代で休めるし(重要)。
活動の規模が大きくなって、今まで無関心だった人を巻き込めれば、選挙にも確実に影響が出てくるし。
我が国の恥じるべき残念な低投票率により、全くどうしようもない政治家が続けて内閣を率いることになってしまったのは、戦後最大の民衆の危機ではないだろうかと思います。
ちょっとした「普段の努力」を「不断の努力」として、皆の人権を守るために使いたいですね。
せめて、選挙には行きましょう。