釜玉はカルボナーラなのか
うどん屋さんが好きです。
あの、讃岐うどん方式というか、安いうどんと天ぷら、おにぎりなどがあるお店。
中でも好きなのは釜玉(かまたま)と、卵の天ぷら。あるとつい頼んじゃう。
卵食べ過ぎですね。
熱々のうどんに、溶き卵をさっと絡めた釜玉は、卵がほんのりクリーミーになるところが良いですね。
私の好きなパスタの一つであるカルボナーラと似ている気がします。
カルボナーラは、卵、生クリーム、チーズを混ぜたソースを熱々のパスタに混ぜて作ります。厚切りベーコンと粗挽き黒胡椒もあるとなお良し。
生クリームは自宅に常備されているものではないので、レシピを検索しようとすると
「カルボナーラ 生クリームなし」
ってのが候補に出てきたりします。
分かる。常備してないし、高いし。
ちなみにちょっとした小技をご紹介しますと、茹でたての熱々パスタに「チーズクリーム」のパスタソースと溶き卵を一気に絡めますと、カルボナーラになります。
市販のパスタソースが思いのほか塩辛くて薄めようと卵を混ぜたら良い感じにカルボなりました。
そんなわけで、実のところカルボナーラは生クリームよりも卵こそがメインという気がしています。
熱々の麺に溶き卵を絡めた釜玉は、それだけでかなりカルボ感があるわけです。
ところで最近は、お店で食べるパスタに「生麺」というのが増えてきています。
乾燥したポキポキの麺ではなく、パスタマシーンからうにゅっと練り出した練りたての麺を茹でて使うわけです。
茹で時間が短いので、お客さんの回転を上げたいお店的には生麺がいいのかもしれません。
あと、麺がもちもちして美味しいんですよね。
もちもちのパスタを食べ慣れてしまうと、もちもちのカルボナーラと、もちもちの釜玉うどんの区別がほとんどなくなってきてしまいます。
もはや違いと言ったら味付けのベースが塩分を含むミルク系のものか、出汁醤油であるかの違いだけなのですが、先日某うどん店に行ったら衝撃的なものがありました。
釜玉・粉チーズトッピング
カルボナーラは卵にチーズ等を混ぜたものでした。生麺の隆盛により、両者の差異がかなり消失している昨今、一方の釜玉は味付けが和風の「出汁醤油である」ということだけだったのに、粉チーズ。
思いっきりカルボナーラに寄せてきました。
ここまで来たら、もはや釜玉はカルボナーラであると結論付けて良いのではないでしょうか。
よし。もしどこかで知り合ったイタリア人が「故郷のカルボナーラが食べたい」って言ったら、讃岐うどん屋に連れて行けば大丈夫。釜玉粉チーズトッピングを食べればきっとカルボナーラだって言ってくれるはず。
「Questa non è una carbonara.(これはカルボナーラではありません)」
えー、そうかな・・・。
「アッラ・カルボナーラ」は「炭焼き夫風」という意。仕上げの黒こしょうが炭の粉に見えるため、あるいは、炭焼き小屋にあった乾燥パスタと貯蔵肉と卵だけで作ったことからなど、由来には諸説ある。
待って、カルボナーラ、メインはまさかの黒こしょうだったの!?
(諸説あるそうです)