プリキュアになっても、私は私、あなたはあなた
テーマ「お母さん」と聞き、放送前どうなることかととても心配していたHugっとプリキュア。
第2話までを視聴しての感想です。
(ネタバレあり)
今回のプリキュアには放送前からやたらドキドキ、心配しているキュア豆大福…じゃなかった、わんおぺまむです。
2018年度プリキュアのテーマは「お母さん」。
公式から引用すると、
なんでもできる!なんでもなれる! 輝く未来を抱きしめて!
プリキュアシリーズ15作目は「子どもを守るお母さん」 めちゃくちゃ多忙な毎日を、勢いとパワーで突っ走ります。
とのこと。
これを見たときは冷や汗しか出なかった。
あ…ありうるぞ、まさかのプリキュア炎上事件、と。
ちょうど最近、のぶみ騒動*1なんかもありましたが、お母さんじゃない人が勝手に描くお母さん像には、結構当事者から厳し〜い視線が投げかけられがちなのですよ。
育児と仕事に24時間全力投球する母親像なんか下手に描いたら、
何でもかんでもお母さんに押し付けるな〜!
勝手に変な理想像作るんじゃね〜!!
と、酷いことになりかねないと危惧した次第です。
ましてや、これ子供向けアニメですからね。先の騒動も問題の歌が子供向け番組で紹介されたことが大きく炎上したポイントです。
第2話まで見ている感じ、まだ安心しきれてはいませんが、第2話でいくつか「いいな」と思ったポイントがあるので書いておきます。
と、その前に、あらすじ紹介。
第1話では、転校初日の主人公「はな」のもとに謎の赤ちゃんと関西弁のハムスターが現れ、ハムスターにより主人公は赤ちゃんの世話を託されます。赤ちゃんの世話に必要なミルクなどは、ハムスターが準備しています。しかし、何やら疲れ果てた様子のハムスターははなに赤ちゃんを託して寝てしまったりしています。
そして、赤ちゃんのエネルギー源、明日への希望?アスパワワを生み出すのがプリキュアらしいです。アスパワワ、母乳か(違う)。
第2話では、新しいプリキュア候補を探すハムスター(「可愛い」がプリキュア認定要素のネズミ野郎、人間化するとなんかチャラい)に対して、なぜか一人でプリキュアをやると宣言するはな。しかし、クラスメートの学級委員長「さあや」に自己紹介での度胸を褒められます。さあやの座右の銘はマザーテレサの言葉だそうで「私に出来ない事はあなたが出来る、あなたが出来ない事は私が出来る」と言われ、気持ちが動くはな。さあやを誘い、一緒にプリキュアをやることにします。
感動ポイント1点目:個性と協働
これまでのシリーズでもそうですが、プリキュア達は個性豊か。お互いに性格や得意なことが違っています。それでいて、互いにそれを認め合い、協働するところがとても素敵。そこのところ丁寧に描いたな〜と思うのは個人的には「魔法使いプリキュア」なんですが(喧嘩もするし、とびきり仲良くもなる。最終回は本気で泣いた)、今回上記の通りまさかのマザーテレサが飛び出す次第。
子育てにおいて、得意なことの違う夫婦や家族が協働することってとても大切ですからね。
3人目もまたこれまでにない感じのキャラを醸し出しているので、それぞれの個性の違いがどう活きてくるのか、期待しています。
感動ポイント2点目:プリキュア変身中の本名呼び
第2話で、戦闘後ではありますが、プリキュア変身状態のまま、2人が「さあやちゃん」「はなちゃん」と本名で呼び合うシーンがありました。
これを見て、「あれ?」と思いました。
今までのシリーズでは(全作見たわけじゃないけど)、確か変身中はプリキュアネーム(キュアミラクル→「ミラクル」など)で呼んでいたはず。
前作のときは、文脈的にちょっと微妙だな〜と思うシーンでさえも、変身している姿では必ずプリキュアネームだったので、多分お約束として本名呼びは避けていたのだと思うのです。
思うに、今作のテーマは「お母さん」。
日本で結婚して子供を持った女性の多くが、結婚して姓が変わったことや、出産後も同じ職場で働くことが困難で退職したり転職したりすることで、今までの「私」を主体とした人生から「夫」や「子ども」を主にしたまるで違う人生に放り込まれたような状態になることがあります。
中には望んでそうしている方もいるかとは思いますが(そう思わされている人も多い気はする)、そうでもない私などは、姓が変わったことにも職を変えざるを得なかったことにも、不便を感じたり残念な気持ちを抱えていたりもします。
子連れのときや病院や役所では、夫の姓で呼ばれますからね…うちなんか別居してるのに。
そんな中、プリキュアとなった主人公達が、プリキュアに変身した姿でも、本名で呼ぶことが自然な文脈の中で「さあやちゃん」「はなちゃん」と 呼びあった。
これは、プリキュア(=お母さん)になっても、私は私、あなたはあなた、というメッセージに聞こえませんか。
考えすぎですかね?
でも、個人的には結構感慨深く、泣かせるシーンでもないのに不意打ちで感極まってしまいました。
さて、早速そんな母を泣かせる仕組みをブッ込んできたHugっとプリキュアですが、本当に1年間、無事に「お母さん」を描き切れるのか、まだまだ心配です。
「そもそも何の説明もなく現れた赤ちゃんに対して主人公達順応しすぎじゃないか?母性はそんな当たり前には生まれないぞ」とか、「ネズミのプリキュア選びの基準がまるで嫁探しみたいでどうなんだ?」とか、「この赤ちゃんちょっとイージーすぎてリアルさ全くないんじゃないか?ホンマモンはもっと宇宙人並みに理解不能だぞ?」とか、まだまだ不安要素は尽きません。
(もっとも、本当の赤ちゃん並みの設定だとストーリーが進まないだろうな…)
子どもが案の定どハマりしてるんで視聴しようと思いますが、本当に本当に、頼みますよ、東映アニメーション。
なお、早速誕生日におねだりされている玩具はこちら。これ、またミライクリスタルの種類追加されるんだろうな…せめて程々の数で頼みます。