“Stay home” がしんどい理由
新型コロナウイルスの蔓延防止のため外出自粛が呼びかけられています。
そのこと自体には異議はありません。
どう考えたって、今は街に出ない方がいいでしょう。
ただ、芸能人や政治家が呼びかける「家にいよう」「Stay home」には
どうしようもない「しんどさ」を感じます。
外に仕事に出なければ守れない生活
私の仕事の詳細は述べませんが、割と職場に出てこないと成り立たない部分の多い仕事です。
それでも、部分的には可能なはずなんですけどね…。
コロナ以前の平時に、妊娠中の職員らにリモート勤務をさせろと闘争したことがありまして、
だいぶ不完全ながら一応一部で実施可能になったんですが、
今般のコロナ下でもなかなかリモートの許可が出ませんでした。
仕事は進めないと評価に響くぞと脅され、リモートは原則不可。
オフピーク通勤は結局帰りが遅くなるだけなので私のような子育て親には利用が難しい。
かといって、今仕事を辞めれば子どもと一緒の生活は立ち行かない。
泣く泣く子を学童に預け、満員電車に揺られて、都心まで出て行かなければならないのです。
政府が全員に十分な保証を出し、コロナ下での解雇を無効にするとか、何かしら手当てをしない限り、私には病を遠ざけることは困難なのです。
「大切な人を守るため」の皮肉
“Stay home“を呼びかける方々は、「大切な人を守るために」とおっしゃいます。
共に暮らす家族や、身近な人たちを守るために、家にいて感染を食い止めよというわけです。
……そりゃ、できることなら私も我が子を命がけで守りたいです。
ところが、家にいて暮らすためのお金(家賃は毎月かかりますし、家にいれば光熱費も食費もかかります)は、誰が届けてくれるというのでしょう。
政府の用意した給付や貸付は、いろいろ調べましたがおよそ我が家で使えるようなものではありませんでした。
使える状態に「なる」ためには、まず家賃光熱費食費等の生存に必要な費用さえ支払えないほどに困窮する必要があるようでした。なんだよその制度。
で、「大切な人を守るために」「家にいよう」と。
この国も社会も、私のことは大切な人とは思っていないわけですよ。
呼びかけてる人たち誰も。
もはや「うるせー、馬鹿やろう」という気になってきます。
もちろん困っている人はいるわけですが…
そうは言っても、私よりもっと困る人だっているわけです。
基礎疾患のある方や、高齢者の方など、自分の知ってる方にも大勢いらっしゃいます。
そうした方々にとっては、新型コロナウイルスは命に関わる病であり、比較的元気のある(かどうか最近ちょっと怪しい)私以上に、罹患した場合のリスクが大きい。
守りたいですよ。そりゃ。
でも、私の今後50年くらいの人生+子どもの人生と、彼らの命と天秤にかけて、
どっちを取るかって……?
それ、私が責任負わなきゃダメなの?本当に?
そこは、国が責任持って救うべきところじゃないんですか。政治ってそういうものなのでは?
とにかく重圧。世間の声が怖い。
自分を殺さず生きたいし、できるだけ人を助けたいし、弱い者の味方でありたい。
そういう希望が、自分一人の力ではどっちに転んでも守りきれないという状況下で、
ズタズタになっていきます。
そして、毎日毎日出てくる政府の愚策。
これがもうね、国から死ねと言われている気分なんですよ。
そういうどうしようもないところへ、“Stay home”の呼びかけがされると、
「お国のために貧者は外へ出ず死ね」と聞こえるんですよ。
割と今現実味ある気がします。 https://t.co/r4KZfJZAnl
— わんおぺまむ@本当に寝ていたい (@OneopeMam) 2020年4月12日
外に出ないで生きていられる人にとっては、あまり気が付かないかもしれませんが、本当に今、世の中はそうした残酷な分断に晒されています。
政府に補償を呼びかけることなく“Stay home”を呼びかけている著名人には、たぶん日に日に鬱屈した悪感情が向けられていくはず。
そんな中、常に明後日の方向に突き進むことに長けたこの国の宰相がこちらです。
友達と会えない。飲み会もできない。
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) 2020年4月12日
ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。 pic.twitter.com/VEq1P7EvnL
もうやだこの国。
2020.4.12
#自粛させるなら金をくれ
Twitterデモに寄せて。