映画『新聞記者』は、観ていて悲鳴を上げそうだった。
どうやら映画の公式サイトがサイバー攻撃を受けているそうですが、
全くと言っていいほど大手メディアの宣伝がなされていないのに、連日ほぼ満席と話題の映画『新聞記者』、やっと観てきました。
先にこれだけ言っておきますが、この映画はフィクションです。
ネタバレは、なるべく避けようと思いますが、まっさらな心で見に行きたい人はここから先は読まないように。
第86回キネマ旬報ベストテンで日本映画第1位を獲得した『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)、菅田将暉とヤン・イクチュンという日韓の演技派二人が激突し、数多くの映画賞を受賞した『あゝ、荒野(前/後編)』(17/岸善幸監督)など日本映画の境界を揺るがす問題作を世に問い続けている河村光庸プロデューサー。
その最新作のテーマは、「国家権力と報道メディア」。望月衣塑子(東京新聞記者)のベストセラー『新聞記者』(17/角川新書)を“原案”に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いたオリジナルストーリー。
ご存知(かな?)東京新聞の望月さんの本を「原案」にしているということで、「あ、主人公が望月さんということかな?」と思っていましたが、「原作」ではなく「原案」ですからね、基本的にはフィクション、現実とは異なるものです。
な〜の〜に、映画の中で起こる出来事が、「あ、これってあの事件ぽい…」「多分あの人ってあの人&あの人の役割なのかな…」と、色々思い起こさせます。
とはいえ、実際の事件とは全く異なるものになってますので、別にこの映画は〇〇〇〇事件を批判しているとかそういう話でもないのですが。
(なんでサイバー攻撃してるのかね、自分たちがそういうアレじゃないなら何もやましくないでしょうに、認めてるようなものじゃ…)
手に汗握るストーリー、何度もハラハラさせられます。
新聞作るのって、こんなにヒヤヒヤハラハラするものなの?
何度も自分の手をぎゅっと握りしめてしまいました。
とにかく演出がすごくって、空気の重さがぐっと変わる瞬間とか、
「この映画、重力を感じる!」って思いました。
若手官僚と、新聞記者の、立場の違いとかもね、対照的に描かれてる感じです。
フィクションなのに、強烈な「リアルさ」を感じさせられて、怖くなります。
それから、俳優陣がすごい、皆めちゃくちゃ上手い、すごい!
田中哲司さんは陰湿さと冷酷さが際立つキャラクターを演じていてかなり怖かった。
松坂桃李さんは、爽やかイケメン俳優だと思ってましたが、こんな表情出せるんだ!と。この人凄いですよ、 多分相当な大物俳優になります。役所広司か西田敏行か…くらいに。唇カッサカサにして煩悶してるシーンが、ヤバイ!
そして主人公新聞記者役のシム・ウンギョンさん、一見朴訥とした雰囲気ながら自分を貫き通すキャラクターを、見事に演じています。
新聞記者吉岡は、実は割と重たいものを背負わされた役で、それに動揺させられるシーンとかもあり動と静の振り幅あるんですが、力むことなく自然に演じてる感が凄い。
役柄の設定の一部は彼女を主役にするために添えたのかもしれませんが、それともいい具合にマッチしていましたね。
私の個人的な趣味でもあるんだけど、飾らない感じの強い女性の役好きです。シン・ゴジラの市川実日子さんの役とか。
ストーリーは、現実の事件とは(たぶん)全くの別物で、ちょっとミステリー仕立てなところもあるのですが、これがまた引き込まれます。
そして、何よりラストシーンがあ!
松坂桃李さんの凄まじい演技と、あの終わり方!
これは評価が分かれるところかもしれない。
ただ、映画見た人とじっくり語り合いたいラストです。
私は、「○○○、○○○」だと思うんだけど〜って。
みなさま、よかったら是非ご覧ください!
そして感想を語り合いましょう。
↓こちらは「原案」とはいえストーリーは全く別物ですが、こちらも面白いです。望月さんのキャラクターが愛おしい「新聞記者」。こっちはノンフィクション。
|