小説を写経してみる
最近、精神状態が色々とアレなので、これは表現活動した方がいいなと思い始めました。
日常生活と仕事では精神の充足が得られないので、漫画とかアニメを摂取しまくっていた今日この頃。
どういうわけか消費だけではどんどん餓えてきて、最近じゃ毎日のようにどろろの感想をふせったーに吐き出しているので、あ、これはやばいなと。
本が好きだし、本を書きたい。
実は子どもの頃から夢だったりします。
ただね、自分でもよ〜く分かってるのですが、表現力が、正直乏しい。
仕事で使う文章だったら、すらすら書けるんですけどね。
あと、このブログも。上手いとは思わないけど、書き出すと数千字くらいは平気で書いちゃう。
一方で、小説みたいなものは全く違うなという気がします。
試みたことは何度かありますが、まともに書けたことはありません。
小説を読むのはとても好きなのに、実の所、読んだ文章は全く頭に残っていません。
私が読むときは非常に集中して物語に入り込んでしまうのです。
電車は乗り過ごすし、家なら寝食を忘れるほど。
子どもの頃は「ランドセル背負って立ったまま本を読んでた」とか「着替えの途中でそのままずっと本を読んでた」とか、たびたび家族に奇行を目撃されていた模様。
そのせいなのか、読後に残るのは想像した光景とか、音や匂い、人の話した台詞ばかり。
情景描写の文章などは、それが優れていればいるほど、私の記憶には一切残らないのです……。
だからこそ読むのが楽しいわけなのですが、このままでは幾ら本を読んでも私が「書く」ことはできそうにありません。
うぅ、どうすりゃいいのか。
ふと、美術部にいたときのことを思い出しました。
絵画を学ぶには「模写」が一番。
実際に筆をとり、構図を写し、色を作ることで、名画の名画たる所以を感じることができるのです。
そうだ、小説も書き写せばしっかり読めるのでは。
そう思ったので、今日はお気に入りの十二国記を写経してみました。
(キーボードで。流石に手書きはしんどい)
もう何周も読んだはずなのに、改めて書き写してみると、
「へえ〜、冒頭ってこんなだったっけ」
「思ったより一文が短いかもしれない」
「使われてる単語がやたら難しい、普通に変換できない。どこから持ってきたんだ」
「この語はあえてのひらがな派なんだ」
「あ、ここで視点が別の人物に変わってる」
など、発見の連続。読んでるときは一瞬でザーッと読んでしまうのに。
キーボードで打ち込みながらだと、流石に一語一語を意識して読むことになるので、改めて「上手いなあ!」と感動しました。
こういう楽しみ方は今までしてこなかったので、とても新鮮です。
で、小説が書けそうかって?
あはは、名文が名文たる所以はよく分かりましたよ。
こんな凄いの、常人には、容易に書けない!